FSC認証を取得して
森林認証を取得したことで、林業経営の新しい評価方法を知ることができました。すなわち「森林を科学する」という概念です。日本の森林は経験だけをもとに管理されていますが、次世代に良い森林を残していくためには、経験を数値化したデータを管理するシステムが必要です。その意味で、FSCは森林の学問と林業の現場との接点になる絶好の機会だと考えます。
また、認証取得によって、林業の現場と消費者との間の距離が短くなり、国内・海外を問わず、直接木材を買いたいという依頼が増加しました。流通を簡略化し、山から出す木材の値段と消費者が買う木材の値段との間の乖離を縮めることで、林業経営の生き残りが図れるはずです。認証取得によるメリットは、単にロゴマーク入り製品の販売による経済効果だけではない、ということです。
今後の課題としては、まず認証費用の軽減が挙げられるでしょう。ちなみに速水林業が認証取得にあたって負担した額は、総額400万円以上でした。現在も、1000haで200万円程度の費用が必要です(補助金が出た場合を除く)。また、日本国内の認証基準は不可欠であると考え、国内認証基準の策定に携わっています。
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最も大切なことは、FSCの認証取得自体が目的なのではなく、適切な森林管理が目的だということです。FSCは森林管理に対する倫理観を問うものであると考えています。速水林業は今後も森林に対する愛情を原動力に、この認証に恥じない森林経営を続けていきます。
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