林業の周辺状況2
森林・林業基本法の改正にともない、森林施業計画も属人計画から属地計画に変わり、平成14年度における速水林業の施業計画も5年計画の1年3ヶ月を経て新規の計画を立て直す必要に迫られています。
平成13年度の国内景気はデフレーション様相を示し、新設住宅着工戸数、建築坪単価ともに減少しています。また、公共事業の縮小によって建築資材も大きく下落しました。
1ドル130円時代となり、相変わらず8割以上のシェアーを占める輸入材によって、国産材の価格は低位に押しとどめられています。
また住宅の品質・性能の確保に対するニーズが高まり、住宅品格法において瑕疵担保責任が義務づけられたことによって、国産ムク材よりも性能が安定しており、十分な乾燥が施されて寸法の狂いが生じにくい集成材への需要が急激に高まっています。
住宅の工法も木造軸組工法から、工業化された部材によって建てられる2×4工法が多くなり、木造軸組工法においても、プレカットが大半となりました。柱の精度が厳しく求められ、北欧を中心とした安価なホワイトウッド(モミ、スプルース)の集成材が、ヒノキ材の主要な製品であった構造用柱に置き換わりました。また和室の減少等もあり、木材の美しさが重要な価格構成要因であった国産材の柱も、節、艶、色等による価格の差が小さくなっています。
こうした中で一部工務店、建築設計家が木材、国産材に注目し始める動きも見られ、大量流通の輸入材と棲み分けするニッチ市場を目指した木材生産が可能になる傾向が見受けられます
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