「こだわりはない」
楠製材 製材業・素材生産業 楠 英敏
TEL.0597-22-1473 |
消費者のニーズに応えた製品を供給する。
「3ヶ月かけて工場の在庫をすっからかんに、生産ラインも簡単明快で数量管理が容易にできるようにした。FSC材以外の材が混ざる恐れのあるものは全て排除した。」 2年前、FSC材を取り扱うために工場内を全面的に切り替えた。
尾鷲地域はヒノキ柱材の一大産地である。以前はその需要に応えてとにかく柱材を生産していた。でも今は環境配慮のニーズに応えてFSC材を扱う。もともと自然に山にたずさわってきたから、そこが大事なことはよくわかっており、根本的には環境への考え方は以前と変わらない。でも、環境に配慮している工場であることを“きちんと消費者に示すこと”は大事だという。だからこそ、FSCマークはつけたい。
楠さんは、フローリングなどをつくる尾鷲ヒノキ内装材加工協同組合の理事も務める。ここでは、いい木ばかりでなく虫食い跡のある欠点材もうまく加工して活用する。当面の目標は、柱材だけでなく板材にも環境にやさしいFSCマークで森からつなぐことだ。
「こだわりはない」と断言する楠さん。楠製材は他の製材メンバーの工場よりも規模が大きく、機械化も進んでいる。柱材に特化したり、1本1本の木にこだわって挽くわけでもない。その時代のニーズに応えたものを提供しようとする、そのために生産体制もおもいきり切り替える、そんな姿勢が気持ちいい。