選択肢のひとつに。
カネ兵製材所 製材業・素材生産業 奥村忠司
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住み手にそれぞれにあった家づくりを進めるために、製材所ができることを考える。
「これは年数のいってるの、これは若いの、これは赤いの…」、部屋の内装に使われているヒノキの壁板を指しながら、ヒノキのいろんな表情を見せてくれた。「尾鷲ヒノキのどこが好き?」という質問に対して、奥村さん「私自身は年をとった木が好きだが、赤いのがいい、白っぽいのがいい、若いのがいい、年いったのがいい、といったことは人それぞれの好みだよ。」と答える。自分の価値観を推しつけることなく、ひとにいろんな選択肢を与えて、そのなかで好みのものを選んでもらいたい、そんな姿勢がうかがえた。
奥村さんは会の活動を通じて、家づくりのことや住まい手が少しずつ見えてきた。家はすぐに建ててしまうのではなく、家づくりにはどういったものがあるのか、どういうことを考慮すべきかアドバイスを受けながら、住み手の好みやライフサイクルなどにあわせて進めることの大切さを知った。そのなかで、製材所も住まい手に対して、木のことを説明しないといけない、と感じるようになった。
では、カネ兵製材の特徴は?と伺うと、FSC材や産地など木の履歴がわかる木を提供できることだという。70年の歴史のなかで培ってきたカネ兵のやり方はもちろんあるけれど、消費者には選択肢のひとつとして、素性のわかる、環境にやさしい木を提供する。
最後に、奥村さんの優しさが詰まった言葉を紹介する。「一日一日心穏やかに。生きている木でものづくりをするから、そうありたい。」